2023 年 72 巻 3 号 p. 421-423
【目的】高位脱臼性股関節症に対する大腿骨短縮骨切り術併用THAをおこなう場合,骨切り部の安定性をどのように得るかが問題となる.当科ではtransverseで骨切りし,ロッキングプレートで固定しているが,この方法の手術成績を調査した.【方法】大腿骨短縮骨切り術併用THAをおこない,術後1年以上経過観察できた4例5関節,全例女性,手術時平均年齢63.2歳.ステム側のX線学的評価,JOAスコア,脚延長量,合併症を調査した.【結果】短縮骨切り部の骨癒合は全例で得られ,最終観察時全例Bone Ingrown Fixation,JOAスコアは術前平均46.3点が,最終平均84.4点に改善,脚延長量は平均36.3mm.【考察】本手術は脚延長による神経障害,短縮骨切り部の骨癒合不全,筋力低下による易脱臼性,大きな手術侵襲による感染などの合併症発生が懸念され,技術的に困難を伴う.【結語】transverseで骨切りし,ロッキングプレートで固定する方法は簡便であり,短期成績は良好であった.