整形外科と災害外科
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DLMOにおけるK-wireの至適挿入位置の検討
片岡 佑太萩尾 友宣吉村 一朗石松 哲郎杉野 裕記深川 遼朝長 星哉山本 卓明
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2023 年 72 巻 3 号 p. 488-491

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抄録

【はじめに】第1中足骨遠位直線状骨切り術(DLMO)はK-wire 1本のみで固定する方法であり,K-wireの挿入位置は外反母趾の矯正において重要な因子である.今回,術直後の単純X線を用いてK-wireの至適挿入位置を検討した.【対象と方法】2016年1月から2022年7月までに当院で軽度から重度の外反母趾に対しDLMOを施行した49例64足を対象とした.術直後の単純X線を用いて第1中足骨骨軸とK-wireの挿入角度を測定し,術前後のHVA,IMA,DMAAの変化量および中足骨頭外側移動率との相関関係を解析した.【結果】K-wire挿入角度は3.6±5.2°であり,HVA変化量は40.1±8.5°,IMA変化量は10.3±3.0°,DMAA変化量は8.4±8.6°,中足骨頭外側移動率は57±9.7%であった.K-wire挿入角度はHVA変化量と有意な負の相関を認めたが,IMA,DMAA変化量および第1中足骨頭外側移動率に関しては有意な相関を認めなかった.【結語】DLMOでは第1中足骨骨軸に沿ってK-wireを挿入することで,HVAを矯正することができる.

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© 2023 西日本整形・災害外科学会
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