整形外科と災害外科
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単独での上腕骨小結節剥離骨折の一例
蛯原 宗大濱田 貴広中村 公隆井口 明彦泉 貞有今村 隆太井上 隆広井上 逸人黒木 陽介有薗 剛
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キーワード: 上腕骨, 小結節, 裂離骨折
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2024 年 73 巻 1 号 p. 148-151

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抄録

【はじめに】一般に上腕骨小結節骨折は,4part fracture等の上腕骨近位端骨折や肩関節後方脱臼の際にみられ,単独骨折は稀であるとされている.我々は,単独での上腕骨小結節剥離骨折の1例を経験し,手術的に加療したので報告する.【症例】63歳女性.自転車走行中に転倒し左上腕部を受傷した.受傷翌日当院受診し,受傷後6日目に,全身麻酔下での骨接合術を行った.三角筋大胸筋アプローチにより進入し,上腕を外旋させ骨折部を展開した.内旋位で整復位良好となりCCSにワッシャーを用いて固定した.術後は4週間外旋15度までの制限とし,その後から制限なくROM訓練を開始した.術後4ヶ月で骨癒合は得られ,外旋は45度まで可能であった.【考察】上腕骨小結節骨折は比較的稀な骨折であり,受傷時の単純レントゲンのみでは見逃されやすく,陳旧例となったのちに診断されることもあり注意を要する.本症例ではCCSで十分な安定性が得られ,良好な成績が得られた.

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