整形外科と災害外科
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腰椎術後腰痛に対してBertolotti症候群と診断しL5横突起切除で腰痛が改善した2例
郷野 開史馬場 秀夫樋口 尚浩神﨑 衣里貞松 毅大今井 智恵子中村 英一郎酒井 昭典
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2025 年 74 巻 1 号 p. 43-46

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抄録

【はじめに】Bertolotti症候群は腰仙部移行椎(LSTV)により腰痛を生じる病態である.腰椎術後の腰痛にBertolotti症候群と診断し,手術加療で腰痛が改善した2例を報告する.【症例】症例1は52歳男性.3年前に当院でL4/5脊柱管狭窄症に対して椎弓切除術を施行されたが,下肢症状は改善したものの左腰痛が持続し,Bertolotti症候群の診断にて,L5横突起切除術施行した.疼痛は術前NRS 9から術後NRS 0に改善が得られた.症例2は81歳女性.10年前に当院でL3/4腰椎椎体間固定術を施行されたが,左下肢のしびれ,左腰部痛が残存していた.Bertolotti症候群の診断にて,L5横突起切除術施行した.疼痛は術前NRS 7から術後NRS 2に改善が得られた.【考察】諸家から保存的加療に抵抗性のBertolotti症候群に対し,横突起切除が有効であると報告されている.【結語】Bertolotti症候群による腰痛が疑われる場合,手術は有効な選択肢になりうる.

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