日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
肝細胞癌との鑑別が困難であったAFP産生胆管細胞癌の1例
大森 順子新見 晶子古市 有子竹内 英津子石川 尚之柳沢 明子荻原 正示土谷 まり子三坂 亮一重本 六男栗原 毅前田 淳山下 克子荒武 寿樹亀岡 信悟西川 俊郎
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2004 年 101 巻 10 号 p. 1106-1111

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抄録

症例は73歳女性. 慢性C型肝炎にて通院中にCEA, CA19-9は正常であったがAFPの漸増を認め, 腹部CT検査にて肝細胞癌を疑う単発腫瘍と多数の腹腔内リンパ節腫大を認めた. 確定診断がつかず開腹術を施行したが, 肝腫瘍とリンパ節は同一腺癌組織であった. 病理標本では間質の強い線維化と異型細胞の増生を認め, 免疫組織化学的にAFP, CK19が陽性, 抗ヒトHepatocyte OCH1E5抗体 (HepPar1抗体) が陰性でありAFP産生胆管細胞癌と診断した.

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© 2004 (一財) 日本消化器病学会
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