2004 年 101 巻 10 号 p. 1106-1111
症例は73歳女性. 慢性C型肝炎にて通院中にCEA, CA19-9は正常であったがAFPの漸増を認め, 腹部CT検査にて肝細胞癌を疑う単発腫瘍と多数の腹腔内リンパ節腫大を認めた. 確定診断がつかず開腹術を施行したが, 肝腫瘍とリンパ節は同一腺癌組織であった. 病理標本では間質の強い線維化と異型細胞の増生を認め, 免疫組織化学的にAFP, CK19が陽性, 抗ヒトHepatocyte OCH1E5抗体 (HepPar1抗体) が陰性でありAFP産生胆管細胞癌と診断した.