日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
症例報告
バルプロ酸ナトリウムにより高アンモニア血症をきたしたC型慢性肝炎の1例
福嶋 真理恵古藤 和浩遠城寺 宗近中牟田 誠名和田 新相島 慎一
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2005 年 102 巻 1 号 p. 42-47

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抄録

症例は45歳,男性.平成10年より慢性硬膜血腫術後のてんかん発作にて,近医経過観察中,高アンモニア血症を指摘され,平成13年5月当科に紹介入院.HCV-RNA陽性だが肝予備能低下なく,門脈大循環へのシャントなく,アミノ酸分析正常であった.薬剤の関与としてバルプロ酸ナトリウムが考えられ,減量中止したところアンモニア値は改善した.基礎病変として肝疾患を持つ症例においても,常に薬剤による高アンモニア血症に考慮して診療にあたるべきと考えられた.

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© 2005 (一財) 日本消化器病学会
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