日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
術前に出血点を同定し得た多発性空腸憩室の1例
武藤 桃太郎折居 史佳岡田 優二吉田 暁正網塚 久人松本 昭範垂石 正樹子野日 政昭神田 誠斉藤 裕輔
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2005 年 102 巻 11 号 p. 1429-1433

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抄録

症例は80歳代の女性.タール便および貧血精査の目的に紹介入院となった.入院時Hb 6.1 g/dlと高度の貧血を認めた.上・下部内視鏡検査および腹部血管造影では出血部位の同定はできず,出血シンチグラフィ,腹部CTにより空腸出血と診断した.小腸内視鏡で上部空腸に多発憩室を認め,その一つの憩室近傍に新鮮血の付着を認めた.切除標本では筋層を欠く憩室の多発を認め,内視鏡で同定した憩室で小動脈の破綻を認めた.

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© 2005 (一財) 日本消化器病学会
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