日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
急性門脈・上腸間膜静脈血栓症に対しウロキナーゼの経上腸間膜動脈投与を行った1例
久保田 大輔田尻 和男三村 俊介須田 剛生油井 薫佐藤 淳一山本 力渡辺 守
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2005 年 102 巻 2 号 p. 183-189

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抄録

症例は69歳,男性.発熱と右季肋部痛を主訴に受診し,画像検査にて門脈・上腸間膜静脈に血栓を認めた.症状発症前日に偶然撮影していたCTで門脈血栓を認めず,急性発症したものと考えられた.末梢静脈からのヘパリン投与に加え上腸間膜動脈に留置したカテーテルからウロキナーゼを投与したところ血栓は溶解されなかったもののそれ以上進行せず,側副血行路の発達とともに炎症反応,発熱,腹痛は軽快した.

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© 2005 (一財) 日本消化器病学会
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