日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
肝細胞癌の骨転移巣に対してテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合カプセル剤(TS-1)とシスプラチンの併用療法が奏功した1例
山下 尚毅釈迦堂 敏武元 良祐西 秀博福森 一太福泉 公仁隆宮原 稔彦酒井 浩徳安森 弘太郎村中 光高見 裕子才津 秀樹渡辺 次郎
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キーワード: 肝細胞癌, 骨転移, TS-1, CDDP
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2005 年 102 巻 2 号 p. 196-201

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抄録

症例は51歳,男性.肝細胞癌の局所治療中に第4腰椎,仙骨,腸骨に転移巣を認めコントロール不能の疼痛が出現した.仙骨転移巣に放射線治療を行うも症状改善が得られず,膀胱直腸障害も出現した.全身化学療法としてTS-1,CDDP併用療法を行い自覚症状は改善した.画像上も転移巣の縮小が認められ,重篤な副作用を認めず,TS-1,CDDP併用療法は肝細胞癌の骨転移巣に対する全身化学療法として有用である可能性が示唆された.

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© 2005 (一財) 日本消化器病学会
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