2005 年 102 巻 6 号 p. 699-705
症例は69歳,男性.イレウスの精査目的にて入院.偽性腸閉塞症と診断されたが原因不明であった.その後,多発性骨髄腫(MM)と判明しイレウスの原因として消化管アミロイドーシスを疑ったが確診に至らなかった.MMに対して化学療法を行ったが奏功せず死亡した.剖検にてAL型全身性アミロイドーシスと判明.消化管へのアミロイド沈着は固有筋層に偏在していた.消化管壁へのアミロイド沈着の局在はアミロイド蛋白の種類により異なり,その診断に際しては注意する必要がある.