日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
門脈および主膵管内に進展を示した退形成性膵管癌(破骨細胞型巨細胞癌)の1例
井坂 利史水野 伸匡高橋 邦之澤木 明中村 常哉田近 正洋河合 宏紀今岡 大岡本 泰幸井上 宏之青木 雅俊清水 泰博谷田部 恭山雄 健次
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2005 年 102 巻 6 号 p. 736-740

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抄録

症例は49歳,男性.主訴は胃部不快感.US,CT,EUS,ERCPなどの各種画像検査より主膵管および門脈に進展したsolid-pseudopapillary tumor(SPT),または嚢胞状変性をともなった充実性膵腫瘍を疑い手術を施行した.腫瘤の内部は蜂巣状で凝血塊を多量に含んだ多胞性部分と充実性部分が混在しており,病理学的に退形成性膵管癌(破骨細胞型巨細胞癌)と診断された.本腫瘍は全膵癌の0.3~0.5%とまれであり,門脈内および主膵管内への進展を示す例は更にまれであるため文献的考察を加え報告する.

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© 2005 (一財) 日本消化器病学会
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