日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:膵疾患における画像診断の進歩
膵疾患におけるPET
村上 康二
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2006 年 103 巻 12 号 p. 1347-1354

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抄録

膵疾患の診断には局所の評価が重要であるため,PETが登場しても画像診断の第1選択がCTとUS,次にMRIという診断手順は変わらない.一方PETはコントラスト優位型の画像診断法であり,全身検索が行える点で優れている.検査目的としては部位の特定できない再発や転移診断に特に有用性が高い.最近はPET/CTが登場したため,CTも同時に施行可能となった.進行膵癌が疑われる場合の全身検索,あるいは臨床的に再発が疑われる場合などは最初からPET/(造影)CTを施行するといった診断手順も今後検討の余地がある.PETはCTやMRIとは異なった生体情報をもたらす診断法であり,現在予後予測や悪性度診断,治療効果判定に有望視されている.

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© 2006 (一財) 日本消化器病学会
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