日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
原著
日本の都市病院の生検例における非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の頻度と血清フェリチン測定の有用性について
矢島 義昭高橋 信孝宮崎 敦史菊地 亮介柿坂 啓介及川 圭介菅原 和彦枝 幸基長沼 廣海上 雅光
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キーワード: NASH, 血清フェリチン, 鉄染色
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2006 年 103 巻 5 号 p. 515-522

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抄録

平成元年より平成16年末までの間に当院で施行された肝生検例は475例で,生検により診断された非アルコール性脂肪肝は35例であった.その内で18例が非アルコール性脂肪性肝炎と診断された.最後の3年間は超音波診断と血清フェリチン値が高値(>300ng/mL)を基準にNASHを疑い生検を施行した.条件に適合した7例は全例がNASHであった.これらの7例においては,減量にともないALT値が著明に改善したが,血清フェリチン値もALTに平行して低下した.血清フェリチンの測定はNASHの検出に有用であるが,血清フェリチンが正常でもNASHは否定できない.

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© 2006 (一財) 日本消化器病学会
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