2006 年 103 巻 5 号 p. 515-522
平成元年より平成16年末までの間に当院で施行された肝生検例は475例で,生検により診断された非アルコール性脂肪肝は35例であった.その内で18例が非アルコール性脂肪性肝炎と診断された.最後の3年間は超音波診断と血清フェリチン値が高値(>300ng/mL)を基準にNASHを疑い生検を施行した.条件に適合した7例は全例がNASHであった.これらの7例においては,減量にともないALT値が著明に改善したが,血清フェリチン値もALTに平行して低下した.血清フェリチンの測定はNASHの検出に有用であるが,血清フェリチンが正常でもNASHは否定できない.