日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
経口タクロリムスが著効した1型糖尿病合併重症潰瘍性大腸炎の1例
矢野 豊平井 郁仁和田 陽子松井 敏幸
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2006 年 103 巻 8 号 p. 943-947

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抄録

症例は36歳,男性.全結腸型潰瘍性大腸炎(UC)初発例で重症度は急性劇症型であった.1型糖尿病を合併し,HbA1c 7.9%であった.そのため治療は,ステロイドの投与を行わずタクロリムス6mg/dayとアザチオプリン50mg/dayを併用開始した.入院15日目には緩解状態となり,糖尿病が悪化することもなかった.以上,ステロイドを使用せずタクロリムス経口投与のみで糖尿病合併重症UCを治療し得た.

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© 2006 (一財) 日本消化器病学会
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