日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:肝性脳症
肝性脳症: 診断·検査
加藤 章信鈴木 一幸
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2007 年 104 巻 3 号 p. 344-351

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抄録

肝性脳症は重篤な肝障害あるいは門脈大循環短絡に起因する精神神経症状である.臨床的な症状のある顕性脳症には軽症のものから深昏睡まで幅がある.また精神神経症状が明らかでなく定量的精神神経機能検査ではじめて指摘される潜在性肝性脳症がある.顕性の肝性脳症は肝機能異常,肝疾患の既往の有無,精神神経症状,高アンモニア血症,脳波異常,臨床検査成績などから他疾患を鑑別しつつ総合的になされる.潜在性肝性脳症は定量的精神神経機能検査(記号追跡試験,光や音に対する反応時間,成人型知能検査)や,電気生理学的神経検査の脳波,大脳誘発電位(聴覚,視覚)などを組み合わせて行う.

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© 2007 (一財) 日本消化器病学会
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