2007 年 104 巻 9 号 p. 1352-1358
急性胆嚢炎の回復期における栄養管理の重要性と経腸栄養剤の有用性を明らかにするために,急性胆嚢炎111症例を摂食開始時の栄養状態に分けて比較検討し,経腸栄養剤を使用した16症例の臨床経過を検討した.低栄養群の入院期間は栄養良好群と比べて長く,低栄養群では入院時のADLに回復するまでの期間が栄養良好群と比較して長期間を要した.また栄養剤使用群の入院期間は,未使用群と比べ短く,栄養剤使用群の入院前のADLに回復するまでの期間は未使用群と比べ,短期になる傾向であった.急性胆嚢炎の食事開始時期に中鎖脂肪酸トリグリセリド含有の経腸栄養剤を使用することにより,早期の栄養状態回復と入院期間短縮が期待できる.