日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
原著
急性胆嚢炎における経腸栄養剤(中鎖脂肪酸トリグリセライド含有)の臨床的効果
野村 幸伸乾 和郎芳野 純治若林 貴夫奥嶋 一武小林 隆三好 広尚中村 雄太
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 104 巻 9 号 p. 1352-1358

詳細
抄録

急性胆嚢炎の回復期における栄養管理の重要性と経腸栄養剤の有用性を明らかにするために,急性胆嚢炎111症例を摂食開始時の栄養状態に分けて比較検討し,経腸栄養剤を使用した16症例の臨床経過を検討した.低栄養群の入院期間は栄養良好群と比べて長く,低栄養群では入院時のADLに回復するまでの期間が栄養良好群と比較して長期間を要した.また栄養剤使用群の入院期間は,未使用群と比べ短く,栄養剤使用群の入院前のADLに回復するまでの期間は未使用群と比べ,短期になる傾向であった.急性胆嚢炎の食事開始時期に中鎖脂肪酸トリグリセリド含有の経腸栄養剤を使用することにより,早期の栄養状態回復と入院期間短縮が期待できる.

著者関連情報
© 2007 (一財) 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top