日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
原著
経口腸管洗浄液を用いたランブル鞭毛虫感染率の検討
河野 敦子石川 秀樹山本 達雄大谷 透飯石 浩康石黒 信吾
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2008 年 105 巻 11 号 p. 1605-1611

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抄録

ランブル鞭毛虫症は国内で年間約100例の発症者が報告されているが,症状が軽微で診断されないことも多く,実際の感染率は高いと予想される.われわれは経口腸管洗浄法による大腸内視鏡検査時の腸管洗浄液を検鏡し,感染率を検討した.[方法]1993年から1997年までに大阪府立成人病センターで行った大腸内視鏡検査3035件(2355人)の腸管洗浄液を用い,パパニコロウ染色による検鏡を行った.[結果]12人(0.51%)にランブル鞭毛虫を確認した.12人中,下痢,腹痛などの有症状者は4人で,3人にMetronidazoleを投与した.[結論]ランブル鞭毛虫感染者は比較的多く,腸炎疾患の鑑別時に考慮すべきと考える.

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© 2008 (一財) 日本消化器病学会
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