日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
105 巻 , 11 号
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総説
今月のテーマ:肝硬変症の病態と最新治療
  • 森脇 久隆
    2008 年 105 巻 11 号 p. 1584-1587
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/05
    ジャーナル フリー
    一般に栄養状態は蛋白,エネルギーの両面から評価する.前者の指標は血清アルブミン濃度,上腕三頭筋周囲径であり,後者の指標は間接熱量測定とくに非蛋白呼吸商,上腕三頭筋部皮下脂肪厚,body massindexである.これらを用いて肝硬変患者の栄養状態を評価すると高頻度に蛋白·エネルギー低栄養状態protein-energy malnutrition(PEM)が認められる.PEMは肝硬変患者の無イベント生存率,生活の質を規定し,治療には分岐鎖アミノ酸製剤,分割食(夜食)が有効である.なお近年,肝硬変でも肥満者が増加し,このような患者では肝発癌のリスクが上昇することが注目を集めている.
  • 國分 茂博
    2008 年 105 巻 11 号 p. 1588-1596
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/05
    ジャーナル フリー
    肝硬変症では8割に門脈圧亢進症が存在し,黄疸を除き肝性脳症など症状のほとんどは肝不全因子(肝細胞機能不全)と門脈因子により病態が成り立っている.最新治療としてのトピックスは門脈圧を40%下げるAngiotensin II Receptor Blockadeの登場であり,肝線維化抑制にも期待がかかる.D-dimerを指標とした門脈血栓溶解にはDanaparoid NaとAT-3製剤の併用が望まれる.孤立性胃静脈瘤に対する本邦発のB-RTOは,肝性脳症から異所性消化管静脈瘤,ICG低下目的と適応拡大傾向にある.近年PSEは,血小板の著明低下がIFN治療開始を妨げている慢性C型肝炎に施行される機会が増えている.
  • 福井 博
    2008 年 105 巻 11 号 p. 1597-1604
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/05
    ジャーナル フリー
    利尿剤治療により軽減できない,あるいは早期再発を防止できない中等量以上の腹水を難治性腹水という.わが国では利尿薬の投与上限量が欧米の基準のように明確でない.その背景には進行肝硬変にともなう門脈圧亢進症,神経性,体液性因子の著しい異常があり,循環血液量の増加,有効循環血液量の減少(underfilling state),腎Na·水排泄の著減を特徴とする.根本治療は肝移植であり,開発中のものも含め薬物治療には多くを期待できない.QOLを改善し得る対症療法に腹水穿刺排液,腹水濾過濃縮再静注法,腹膜頸静脈(PV)シャント,経頸静脈肝内門脈大循環シャント術(TIPS)などがあるが,治療にあたってはそれぞれの手技の適応,限界,有害事象をよく理解する必要がある.個々の症例ごとに肝機能,腎機能,合併症の程度を勘案して適切な治療法を選択し,十分なインフォームドコンセントを得た上で施行すべきである.
原著
  • 河野 敦子, 石川 秀樹, 山本 達雄, 大谷 透, 飯石 浩康, 石黒 信吾
    2008 年 105 巻 11 号 p. 1605-1611
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/05
    ジャーナル フリー
    ランブル鞭毛虫症は国内で年間約100例の発症者が報告されているが,症状が軽微で診断されないことも多く,実際の感染率は高いと予想される.われわれは経口腸管洗浄法による大腸内視鏡検査時の腸管洗浄液を検鏡し,感染率を検討した.[方法]1993年から1997年までに大阪府立成人病センターで行った大腸内視鏡検査3035件(2355人)の腸管洗浄液を用い,パパニコロウ染色による検鏡を行った.[結果]12人(0.51%)にランブル鞭毛虫を確認した.12人中,下痢,腹痛などの有症状者は4人で,3人にMetronidazoleを投与した.[結論]ランブル鞭毛虫感染者は比較的多く,腸炎疾患の鑑別時に考慮すべきと考える.
症例報告
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