日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
症例報告
統合失調症患者に発症した腹部コンパートメント症候群の1剖検例
横山 顕礼大楽 尚弘池谷 伸一新井谷 睦美浅野 重之
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2008 年 105 巻 8 号 p. 1205-1212

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抄録

症例は61歳男性.18歳から統合失調症があり多剤向精神薬を長期常用し,呑気症および難治性便秘をともなっていた.著明な腹部膨満をともなう急性腹症にて当院に搬送されたが治療に反応なく死亡した.剖検にて腸管壊死をともなわない胃を含む全腸管の著明な拡張が認められた.向精神薬,下剤の長期常用,呑気症,統合失調症が関連して2次性偽性腸閉塞をきたし,腹部コンパートメント症候群を発症したものと考えられた.

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© 2008 (一財) 日本消化器病学会
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