日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
ペグインターフェロン·リバビリン併用療法中に脾摘後劇症型感染症(OPSI)を発症したC型慢性肝炎の1例
岡村 修祐酒井 輝文吉貝 浩史住江 博明成田 高三郎辛島 卓前山 泰彦檜垣 浩一井出 達也佐田 通夫
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2009 年 106 巻 3 号 p. 411-417

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抄録

症例は61歳女性,脾摘術の既往あり.C型慢性肝炎に対するインターフェロン療法中に意識障害で救急搬送され,数時間で多臓器不全となり死亡.剖検·血液培養検査で肺炎球菌による敗血症と診断される.脾摘後劇症型感染症(OPSI)の1例と考えられ,インターフェロンが誘引となったと推測された.脾摘患者に免疫能低下をともなう治療を行う際は,感染症の重症化を常に念頭に入れ,また肺炎球菌ワクチン接種を検討することが望ましい.

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© 2009 (一財) 日本消化器病学会
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