2010 年 107 巻 10 号 p. 1623-1629
現在,種々の診療ガイドラインが作成されているが,ガイドラインの重要な目的である診療内容の標準化と患者の予後改善達成のため,ガイドライン流布のための種々の方策は不可欠である.また,ガイドラインに対する評価が必要で,現在まではAGREEなどのガイドライン作成法に対する評価が主であった.今後は,ガイドラインの有用性に基づく評価が必要と考えられ,そのためには症例登録などによってガイドライン内容と臨床効果が合致するか否かの検証が重要で,そのためのシステムの設置と整備が必要となる.また,遵守率なども分析のための因子として必須で,ガイドラインの有用性の評価のためには,臨床指標をあらかじめ提示することが好ましい.