腹痛が先行し，その後に皮疹を生じた自家末梢血幹細胞移植後の水痘感染症の1例

山田 聡志; 岩崎 友洋; 佐藤 明人; 坪井 康紀; 柳 雅彦; 高橋 達; 薄田 浩幸; 江村 厳

doi:10.11405/nisshoshi.107.1947

症例報告

腹痛が先行し，その後に皮疹を生じた自家末梢血幹細胞移植後の水痘感染症の1例

山田聡志, 岩崎友洋, 佐藤明人, 坪井康紀, 柳雅彦, 高橋達, 薄田浩幸, 江村厳

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キーワード: 水痘・帯状疱疹ウイルス感染症, 急性腹症, 自家末梢血幹細胞移植, 偽性腸閉塞

ジャーナルフリー

2010 年 107 巻 12 号 p. 1947-1955

DOI https://doi.org/10.11405/nisshoshi.107.1947

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抄録

症例は54歳男性．多発性骨髄腫に対する自家末梢血幹細胞移植約2カ月後に激烈な上腹部痛にて発症（発症時免疫抑制剤は使用していない），鎮痛に麻薬を必要とした．発症7日後に全身に皮疹が出現し内臓播種性の水痘感染症と診断，抗ウイルス剤投与にて改善した．経過中の腹部CTで腹腔，上腸間膜動脈根部付近の脂肪濃度上昇を認め，この所見が腹部症状へ関与している可能性と本疾患の早期診断の一助となり得ることを示した．

責任著者(Corresponding author)

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