日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
胆管印環細胞癌の1例
松本 知訓井上 聡子増尾 謙志岡本 佳子福島 政司和田 将弥占野 尚人木本 直哉藤田 幹夫杉之下 与志樹岡田 明彦猪熊 哲朗今井 幸弘
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 108 巻 12 号 p. 2042-2049

詳細
抄録

症例は72歳男性.閉塞性黄疸で入院となった.腹部CT上,多発する嚢胞様部分を内在した4cm大の腫瘍により総胆管は閉塞していた.超音波内視鏡・ERCPでは,下部胆管に主座を置く腫瘍が胆管内腔へ向かって発育する像を認め,経口胆道鏡では腫瘍の表面に怒張した腫瘍血管の増生を認めた.生検にて胆管原発の印環細胞癌と診断した.化学療法は無効で,3カ月後に永眠した.胆管印環細胞癌は極めてまれであり,貴重な症例と考え報告する.

著者関連情報
© 2011 (一財) 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top