日本消化器病学会雑誌
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総説
クローン病の長期予後について考える
久松 理一日比 紀文
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2011 年 108 巻 3 号 p. 373-380

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抄録

わが国のクローン病患者数は3万人を超え,決して専門医のみが遭遇する特別な疾患ではなくなってきている.インフリキシマブをはじめとする抗TNFα製剤の登場によりクローン病の治療体系は大きく変化した.さらにダブルバルーン小腸内視鏡による内視鏡的狭窄拡張術など,モダリティの部分での進歩も目覚しいものがある.しかし,「これらの治療が果たして本当にクローン病の予後を改善するのか」,という命題はいまだ明らかにはなっていない.予後まで見据えたクローン病のマネージメントについては今ようやく議論がスタートラインにたったばかりであり,本稿ではその点について解説する.

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© 2011 (一財) 日本消化器病学会
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