日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
胃に穿破したアメーバ性肝膿瘍に対し内服治療のみで根治を得た1例
高橋 憲史荒川 和久須納瀬 豊戸塚 統戸谷 裕之竹吉 泉
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2011 年 108 巻 8 号 p. 1413-1419

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抄録

症例は26歳,男性.肝腫瘍疑いで近医より当院紹介となった.腹部CTで肝左葉に8×6cmの腫瘤を認め,肝膿瘍を疑った.上部消化管内視鏡で胃小彎に巨大な粘膜下の隆起があり,隆起上に膿汁が流出する潰瘍を認め,膿瘍の穿破と判断した.潰瘍の生検でアメーバ虫体が確認された.膿瘍のドレナージは行わず,メトロニダゾールの内服のみで治癒し得た.胃に穿破したアメーバ性肝膿瘍はまれな疾患であり,文献的考察を加え報告する.

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© 2011 (一財) 日本消化器病学会
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