日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
症例報告
全身化学療法が奏効した悪性腹膜中皮腫の1例
五十嵐 健太郎林 雅博佐藤 宗広相場 恒男米山 靖和栗 暢生古川 浩一杉村 一仁渋谷 宏行
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2012 年 109 巻 3 号 p. 451-459

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抄録

症例は64歳男性.一過性脳虚血発作のため入院した.腹水が認められたが消化管検査などでは原因不明であった.腹腔鏡を施行すると腹膜に白色結節が観察され,組織検査により悪性腹膜中皮腫と診断した.ペメトレキセドとシスプラチンが投与されたが効果が認められず,パクリタキセルに変更後腹水は消失した.1年半後に再発したが,ゲムシタビンにて完全奏効となり,初診より3年が経過した.本邦の報告例とともに検討し報告する.

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© 2012 (一財) 日本消化器病学会
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