日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
109 巻 , 3 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
総説
  • 安藤 朗
    2012 年 109 巻 3 号 p. 355-363
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/05
    ジャーナル フリー
    炎症性腸疾患の患者数が増加する一方で,さまざまな新しい治療法が導入されている.患者情報に基づき個々の患者に最適な治療法を提供する「個別化医療」が注目されているが,炎症性腸疾患治療の個別化はどこまで可能であろうか.長期にわたる免疫調節剤や生物学的製剤の投与にあたり,患者個人レベルで効果を予測し投与薬剤の種類,投与量を選択することで,治療効果の最大化と副作用の最小化が達成できたら理想的である.そのためには,患者情報を得るための鍵となるバイオマーカーの開発が急務となる.本稿では,日本人に特有のチオプリン代謝に関わる遺伝子多型の解析と抗インフリキシマブ抗体定量法を用いたクローン病の個別化治療の取り組みを紹介する.
今月のテーマ:クローン病診療のトピックス
  • 金井 隆典, 松岡 克善, 久松 理一, 岩男 泰, 緒方 晴彦, 日比 紀文
    2012 年 109 巻 3 号 p. 364-369
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/05
    ジャーナル フリー
    インフリキシマブ治療はクローン病治療に革命をもたらしたといっても過言ではない.しかし,治療経過中に効果が減弱するいわゆる二次無効について国内外で活発に議論がなされている.本邦でも,2011年,インフリキシマブの10mg/kgへの増量が承認され,二次無効症例に対して直接的な対処が可能になった.しかし,10mg/kg増量ですべての二次無効症例が再び8週間隔の維持治療で寛解を維持できるまで効果が回復するとは限らない.また,本邦では2番目に登場したアダリムマブとの治療優先に関する議論,アダリムマブ増量の議論,さらには本邦オリジナルな白血球除去療法,栄養療法との併用など,長期の寛解維持を達成させるための適切な薬剤選択,適切な増量のタイミングを明らかにすることが重要である.
  • 本谷 聡, 山下 真幸, 田中 浩紀
    2012 年 109 巻 3 号 p. 370-377
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/05
    ジャーナル フリー
    アダリムマブ(ADA)は初回160mg,2週間後に80mgを皮下注射して寛解導入し,有効例では4週目から40mgを2週間隔ごとに継続して寛解を維持する.インフリキシマブ(IFX)治療歴にかかわらずADAの有効性が認められるが,IFX治療歴のない抗TNF製剤ナイーブ例では,より寛解率が高い.二次無効では40mg毎週投与や80mg隔週投与が有用である(本邦未承認).臨床的寛解のみならず粘膜治癒も含めた完全寛解(deep remission)を治療目標とし,小腸に多数の縦走潰瘍を有する例や,大腸でも広範な深い縦走潰瘍を認める場合など,予後不良が予測されるクローン病には,罹患期間2年未満での早期ADA治療介入が望ましい.
  • 鈴木 康夫
    2012 年 109 巻 3 号 p. 378-385
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/05
    ジャーナル フリー
    Granulocyte and Monocyte Adsorption(GMA)は,本邦で開発・臨床応用された薬剤投与によらず抗炎症効果を発揮し高い安全性を有するユニークな療法で,潰瘍性大腸炎(UC)同様クローン病(CD)においても寛解導入療法の1つとして実施可能となった.しかし,汎用されているUC症例に比べ,CD症例におけるGMAの意義や最適な適応症例と実施時期に関しての検討はいまだ十分とはいえず,今後解決すべき課題と考えられる.われわれの多施設共同研究による検討では,発症早期の比較的軽症例に対しGMAを実施することで寛解導入率の向上に寄与する可能性が推測された.また,CD治療の中心的薬剤である抗TNF-α抗体製剤にGMAを組み合わせる治療法の有用性に関しても今後検討すべき課題の1つと考えられた.
  • 平井 郁仁, 別府 孝浩, 松井 敏幸
    2012 年 109 巻 3 号 p. 386-392
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/05
    ジャーナル フリー
    クローン病は再燃寛解を繰り返し,長期的には進行する慢性炎症性疾患とされてきた.しかし,抗TNF-α抗体などによってその自然史は変わりつつある.一方,外科的手術は必ずしも減っておらず,術後再発が予後の点から問題となっている.内視鏡的バルーン拡張術は各種疾患の腸管狭窄に広く行われており,手技的には確立し,安全性も高い.クローン病の腸管狭窄に対しても手術回避目的としての意義は高い.小腸内視鏡を用いた方法や新規治療と併用するなど新たな知見がもたらされる可能性も高い.QOLを向上し,経過・予後を改善するための手段として本治療の位置づけをさらに明確にする必要がある.
原著
  • 小南 陽子, 大江 啓常, 小林 沙代, 東 玲治, 内田 大輔, 森元 裕貴, 半井 明日香, 沼田 紀史, 平尾 謙, 小川 恒由, 植 ...
    2012 年 109 巻 3 号 p. 393-399
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/05
    ジャーナル フリー
    大腸憩室出血の出血様式別の内視鏡治療成績を検討した.対象は憩室からの活動性出血34例(Type 1)と憩室内に露出血管またはびらんを認めた非活動性出血49例(Type 2)の83例.治療方法は憩室開口部をクリップで縫縮した縫縮法と,露出血管またはびらんに直接クリップ止血を行った直達法とに分類した.Type 1症例はType 2症例より再出血率が有意に高かった.Type 2症例では直達法を施行した14例全例で再出血を認めなかった.Type 1症例ではより確実な止血法の工夫が必要であり,Type 2症例では可能な限り直達法を行うことで止血率の向上が期待できる.
症例報告
Letters to the Editor
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