日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
Bevacizumab併用化学療法が奏効し,原発巣の著明な瘢痕収縮により腸閉塞を発症した切除不能進行大腸癌の1例
高梨 訓博勝木 伸一藤田 朋紀和賀 永里子下立 雄一佐々木 一晃染谷 哲史大野 敬祐藤田 昌宏
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2012 年 109 巻 5 号 p. 766-773

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抄録

症例は64歳女性,高度肝転移をともなうS状結腸癌症例.原発巣狭窄による症状がないことから,bevacizumab併用化学療法を先行して加療を行った.しかし3コース目予定直前に腸閉塞を発症し,原発巣切除を余儀なくされた.病理所見では腫瘍細胞の変性,壊死,さらには種々の炎症細胞浸潤と高度の線維化をともなう著明な瘢痕収縮を認めた.化学療法が著効したことにより腸閉塞を発症したものと考えられた.

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© 2012 (一財) 日本消化器病学会
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