日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
CTで診断し,保存的に加療したS状結腸原発性腹膜垂炎の1例
東 悠介上田 裕之大野 敦司保田 智之福原 崇之舛田 裕道山口 敏紀鎌田 耕治服部 宜裕中島 浩一郎
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2012 年 109 巻 5 号 p. 781-787

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抄録

40歳男性.左下腹部痛で受診し,血液検査上,軽度の炎症反応を認めた.CT検査上,S状結腸に接して特徴的な脂肪濃度の病変を認め,S状結腸原発性腹膜垂炎と診断,保存的に加療を行い軽快した.原発性腹膜垂炎は予後良好な疾患で,特徴的な画像所見から診断が可能であるが,誤診により外科的手術も含めた過剰な治療が行われる可能性がある.急性腹症の診療では本疾患を念頭に置き,正確な診断と適切な加療を行う必要がある.

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© 2012 (一財) 日本消化器病学会
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