日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
脂質代謝異常が原因と考えられた妊娠合併重症急性膵炎の1例
井戸 佑美具嶋 亮介尾崎 徹牧 曜子野中 康一加来 英典村尾 哲哉直江 秀昭横峰 和典桜井 宏一佐々木 裕
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 109 巻 7 号 p. 1236-1242

詳細
抄録

患者は29歳,女性.0妊0産.妊娠26週に急性膵炎が疑われ当院紹介となった.厚生労働省重症度スコア4点,腹部造影CTでもgrade 2,TG高値から,脂質代謝異常にともなう妊娠合併重症急性膵炎と診断した.保存的集中治療を行ったが,骨盤内まで巨大な仮性嚢胞を形成したため,今後の妊婦の治療選択肢を広げるために,選択的帝王切開術に踏み切り,無事男児を出産した.第50病日に母児ともに軽快退院となった.

著者関連情報
© 2012 (一財) 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top