DPCデータを用いて,急性胆嚢炎に対し胆嚢摘出術が行われた患者2070例を対象に,術前抗菌薬治療の現状の分析を行った.術前抗菌薬の平均投与日数は,早期手術群(入院後4日以内;n=933)に比べ,待機手術群(5日以上;n=1137)で有意に長く,高世代セフェム系やカルバペネム系などの薬剤の使用頻度も多く認めた(
p<0.001).また,複数の種類の抗菌薬が使用された症例も待機手術群において有意に多く,抗菌薬の種類数が増加するにつれ術前日数が有意に延長する結果を得た(
p<0.001).感染コントロール困難の回避および適切な抗菌薬の使用のため,早期胆嚢摘出術の重要性が示唆された.
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