日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:PBC診療の最前線
原発性胆汁性肝硬変(PBC)全国調査にみる本邦PBCの病態と予後の変遷
廣原 淳子仲野 俊成關 壽人岡崎 和一中沼 安二坪内 博仁
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2013 年 110 巻 1 号 p. 8-15

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抄録
厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班では約30年間にわたり原発性胆汁性肝硬変(PBC)全国調査を継続実施してきた.有病者数は年々増加し,男女比は1:6.8,最頻年齢は50~60歳代で,診断時年齢は年々高齢化傾向にある.無症候性PBCの10年生存率は93.3%で,無症状のまま経過する予後良好な群が80%程度を占めるのに対し,症候性PBCの10年生存率は65.5%である.無症候性,症候性PBCとも有意に生命予後は改善しているが,診断時発黄例(総ビリルビン値5mg/dl以上)や組織学的病期進行例では,予後改善は認められていない.PBCでの発癌率は男性例に有意に高く,女性例では組織学的病期の進展が発癌の危険因子である.
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© 2013 (一財) 日本消化器病学会
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