中等症から重症の難治性潰瘍性大腸炎において,インフリキシマブに代表される生物学的製剤は,有効で比較的安全な治療薬である.インフリキシマブは,寛解導入治療としてはカルシニューリン阻害薬とほぼ同等の有効性が示唆され,また維持療法としての有用性も示されている.アダリムマブや,今後登場するであろうGolimumabは,皮下投与という利便性を中心に選択肢となってくる.今後は,特に潰瘍性大腸炎重症例において,どのような症例に生物学的製剤を選択すべきか,本邦での多施設共同無作為割付試験の結果などから明らかになっていくことが期待される.