日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
総説
EUSを用いた胆膵疾患の診断と治療
安田 健治朗
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2013 年 110 巻 4 号 p. 549-556

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抄録

内視鏡的超音波断層法(EUS)は体腔内超音波画像診断法として発展してきた.その特徴は,対象に近接できるために使用可能な高い分解能を有する高周波数超音波を用い,詳細な対象の観察のみならず周囲臓器まで超音波断層観察が可能なことである.胆膵領域では膵胆道癌の早期診断から進展度診断,胆嚢ポリープの鑑別や嚢胞性膵病変の精密検査や鑑別診断法として活用されている.また,EUS画像下の穿刺細胞診は胆膵疾患の病理組織診断法として画期的な変化をもたらした.さらに,膵嚢胞穿刺ドレナージ術,胆膵管ステント留置術や局注療法など,EUS下の穿刺術を基本とした治療手技が開発され臨床に応用されている.EUSを用いた胆膵疾患の診断・治療は,ERCPとともに胆膵領域の診療に必要不可欠な手技として評価されている.

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© 2013 (一財) 日本消化器病学会
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