2013 年 110 巻 7 号 p. 1193-1197
小腸の内視鏡観察は,長い間困難であったため,小腸疾患の診断法は限られており,これまで多くを小腸造影に頼らざるを得なかった.しかし,近年カプセル内視鏡やバルーン式内視鏡,CT/MR enterographyなどの新たなモダリティーが登場し,小腸疾患の診断法については飛躍的な進歩を遂げた.今後は,これらの新たなモダリティーを用いた新しい診断法および治療法の確立が期待される.また,パテンシーカプセルの登場によって,小腸疾患の診断の際にも,積極的にカプセル内視鏡を用いることが可能になり,小腸出血・小腸疾患の診断におけるアルゴリズムが大きく変化しつつある.