日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
110 巻 , 7 号
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総説
  • 井上 拓也, 能田 貞治, 梅垣 英次, 樋口 和秀
    2013 年 110 巻 7 号 p. 1193-1197
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/05
    ジャーナル フリー
    小腸の内視鏡観察は,長い間困難であったため,小腸疾患の診断法は限られており,これまで多くを小腸造影に頼らざるを得なかった.しかし,近年カプセル内視鏡やバルーン式内視鏡,CT/MR enterographyなどの新たなモダリティーが登場し,小腸疾患の診断法については飛躍的な進歩を遂げた.今後は,これらの新たなモダリティーを用いた新しい診断法および治療法の確立が期待される.また,パテンシーカプセルの登場によって,小腸疾患の診断の際にも,積極的にカプセル内視鏡を用いることが可能になり,小腸出血・小腸疾患の診断におけるアルゴリズムが大きく変化しつつある.
今月のテーマ:小腸疾患診療のエッセンス
  • 矢野 智則, 山本 博徳, 砂田 圭二郎, 林 芳和, 佐藤 博之, 竹澤 敬人, 井野 祐治, 北村 絢, 菅野 健太郎
    2013 年 110 巻 7 号 p. 1198-1204
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/05
    ジャーナル フリー
    小腸出血の原因病変として,血管性病変,炎症性病変,腫瘍性病変,憩室が挙げられる.初期評価のdynamic造影CTで異常所見があればバルーン内視鏡で精査し,異常所見がなければカプセル内視鏡を行って,バルーン内視鏡の要否を判断する.出血源を同定できれば,その診断に応じた治療を行うが,血管性病変については,拍動性の有無に着目した小腸血管性病変の内視鏡分類を参考に治療方針を決定する.小腸出血の診断率向上には,出血エピソードからできるだけ早いタイミングでの検査が必要であり,カプセル内視鏡とバルーン内視鏡の普及の妨げとなっている保険点数の改訂が望まれる.
  • 後藤 秀実
    2013 年 110 巻 7 号 p. 1205-1213
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/05
    ジャーナル フリー
    2000年以後,小腸疾患の診断は新たな小腸内視鏡の導入によって輝かしい進歩を遂げ,病態理解も深まってきたが,小腸潰瘍においてはいまだ不十分な側面がある.潰瘍の特徴は円形,地図状や輪状などさまざまであるが,同じような肉眼形態を呈する疾患を複数認めるため,確定診断に至ることが難しい場合がある.それ故に各疾患に特徴的な内視鏡所見や他の検査値に気づき,総合的に診断を行う必要がある.それには潰瘍総論に加え,各論で各々の疾患の特徴を把握し,診断に臨む姿勢が大切である.内視鏡診断が有効な血管性疾患や,生検病理診断で確定診断される腫瘍性疾患に比し診断が難しい本態に,どうアプローチし治療していくかは,臨床医の技量に委ねられる.
  • 平井 郁仁, 別府 孝浩, 松井 敏幸
    2013 年 110 巻 7 号 p. 1214-1224
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/05
    ジャーナル フリー
    小腸腫瘍はまれな疾患であり,悪性腫瘍に限れば全消化管の1~2%を占めるに過ぎない.これまでの検査体系では,高度の症状が出現するか進行した悪性疾患以外は発見困難であった.しかし,近年のカプセル内視鏡,バルーン内視鏡の普及により,無症候の良性腫瘍や早期の悪性腫瘍ならびに従来は診断に難渋した稀少疾患の診断が可能となってきている.今後,これらのモダリティーによる症例が蓄積され,小腸腫瘍に関する新たな知見が続々ともたらされるであろう.将来的には小腸腫瘍に対する的確な診断手順が確立されることが望まれる.現時点ではその途上にあるが,本稿では,小腸腫瘍の疫学,各種検査,カプセル内視鏡やバルーン内視鏡によって診断された腫瘍の組織型別頻度やその特徴について現状を解説した.
座談会
原著
  • 川内 宏仁, 太田 智之, 松原 悠, 好崎 浩司, 坂本 淳, 網塚 久人, 木村 圭介, 前本 篤男, 折居 史佳, 蘆田 知史
    2013 年 110 巻 7 号 p. 1249-1257
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/05
    ジャーナル フリー
    急性食道粘膜病変(acute esophageal mucosal lesion;AEML)は壊死性食道炎と急性びらん性食道炎を包括した疾患概念であるが,まだ十分認知されていない.急性発症し内視鏡的にびらん性変化を認め,腐食性食道炎や放射線性食道炎,感染性食道炎,慢性逆流性食道炎の急性増悪を除外しえたものをAEMLとし,57例を検討した.高齢男性で上部消化管出血を示唆する症状が多く,98%で基礎疾患を有し,67%で食道裂孔ヘルニアを,63%で胃十二指腸潰瘍性病変を合併していた.16%は基礎疾患で死亡していた.保存的治療で急速に改善するAEMLは慢性経過である胃食道逆流症とは異なる疾患と考えられた.
症例報告
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