日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
原著
食道癌術後再建胃管癌の臨床病理学的検討―本邦報告165例の年代による変化と傾向―
萩原 信敏松谷 毅野村 務藤田 逸郎金沢 義一櫻澤 信行宮下 正夫内田 英二
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 111 巻 3 号 p. 512-520

詳細
抄録

食道癌術後長期生存例の増加にともない,再建胃管癌例も増えている.今回,年代別で胃管癌の臨床病理学的項目,治療,予後などの変化について,当科の胃管癌9例と本邦報告156例を集計した165例において3期に分けて検討した.臨床病理学的検討では,発生部位は胃管下部に多く,組織型は7割が管状腺癌であり,年代で有意な差は認めなかった.内視鏡検査での発見症例が最近10年では7割を占め,早期発見例も年々増加していた.2003年以前に内視鏡治療を行った症例は20%であったが,最近10年では約40%まで増加し予後も改善傾向を示した.胃管癌の特徴を理解し,定期的な検査で早期発見することで,さらなる予後の改善につながると考えられた.

著者関連情報
© 2014 (一財) 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top