日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
111 巻 , 3 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
特別寄稿
総説
  • 斎藤 博, 町井 涼子, 高橋 則晃, 雑賀 公美子
    2014 年 111 巻 3 号 p. 453-463
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    大腸がん検診は便潜血検査による検診での死亡率,罹患率の減少効果が実証され,世界的にその成果が近い将来実現されると考えられている.また内視鏡検診の有効性のポテンシャルも示されつつある.今後,新規の検診法を求めて研究を進めていく上で,精度評価については健常者集団での測定,有効性は最終的に死亡率を指標として,評価される必要がある.新しい方法の研究とともに,成果を上げるために,海外で実績のあるorganized screeningを踏まえて,がん死亡率減少が実現可能な検診体制をわが国においても整備することが求められている.
今月のテーマ:大腸がんの早期発見を目指して
  • 角川 康夫, 松本 美野里, 斎藤 豊
    2014 年 111 巻 3 号 p. 464-469
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    2006年に登場した大腸カプセル内視鏡は,現在第2世代のPillCam®COLON 2が用いられている.この大腸カプセルはゆっくり進むときは4枚/秒で,速く進むときは35枚/秒の頻度で撮影する(adaptive frame rate;AFR).第2世代の大腸カプセルの6mm以上のポリープに対する感度は84~91%と報告されている.本邦では2013年7月に医薬品医療機器総合機構(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency;PMDA)から薬事承認を受けており,2014年1月には保険収載された.苦痛なく受けられるイメージの大腸カプセル内視鏡が,大腸がん検診の受診率向上に寄与することが期待される.
  • 永田 浩一, 遠藤 俊吾
    2014 年 111 巻 3 号 p. 470-481
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    本邦の大腸がん死亡率は高止まりしており,これは検診受診率および精検受診率の低迷が一因とされる.今後,がん対策推進基本計画に基づき,検診受診率が上昇すると内視鏡検査のキャパシティが不足する可能性がある.一方,米国では大腸CTは大腸がん・腺腫の検出に有効な検査法として,大腸がん検診ガイドラインに組み込まれ,その普及が進んでいる.本邦においても大腸CTの内視鏡検査に対する非劣性試験が行われ,良好な精度が確認された.大腸CTを精検法の1つとして活用することで,精検受診率の向上に結びつく可能性があることから,本邦でも大腸CTが内視鏡検査を補完する役割を担う時期にきていると考える.
  • 問山 裕二, 奥川 喜永, 田中 光司, 井上 靖浩, 毛利 靖彦, 楠 正人
    2014 年 111 巻 3 号 p. 482-494
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    MicroRNA(miRNA)は18~25塩基からなる低分子RNAであり,癌の発生,進展,転移に関わることが知られている.近年,体液中の分泌型miRNAは,膜小胞であるエクソソームに含有されることで安定して存在することが報告されている.miRNAの特徴として,その発現変動が組織特異的であり,癌組織と正常組織との間においても発現が異なる.さらに発現変動は組織のみにとどまらず,血液を含めた体液や便においても確認できるため,非侵襲的新規バイオマーカーとして期待されている.本稿では,大腸癌におけるmiRNA診断に関して,これまでに報告されている研究を紹介し,将来の可能性を展望する.
  • 工藤 進英, 児玉 健太
    2014 年 111 巻 3 号 p. 495-499
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    本邦において大腸がん検診は便潜血検査免疫法が対策型検診として広く行われている.近年海外からスクリーニングS状結腸内視鏡による効果が複数報告されているが,全大腸内視鏡検査による効果はエビデンスとしてはまだ不十分である.2009年より本邦において大腸内視鏡検査による大腸がん検診の有効性評価研究が開始された.大腸内視鏡検診による死亡率減少効果を目的とするランダム化比較試験である.現在,欧米でも大腸内視鏡を用いた大腸がん検診のランダム化比較試験が進行中であり結果が期待される.
最近の話題
速報
原著
  • 萩原 信敏, 松谷 毅, 野村 務, 藤田 逸郎, 金沢 義一, 櫻澤 信行, 宮下 正夫, 内田 英二
    2014 年 111 巻 3 号 p. 512-520
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    食道癌術後長期生存例の増加にともない,再建胃管癌例も増えている.今回,年代別で胃管癌の臨床病理学的項目,治療,予後などの変化について,当科の胃管癌9例と本邦報告156例を集計した165例において3期に分けて検討した.臨床病理学的検討では,発生部位は胃管下部に多く,組織型は7割が管状腺癌であり,年代で有意な差は認めなかった.内視鏡検査での発見症例が最近10年では7割を占め,早期発見例も年々増加していた.2003年以前に内視鏡治療を行った症例は20%であったが,最近10年では約40%まで増加し予後も改善傾向を示した.胃管癌の特徴を理解し,定期的な検査で早期発見することで,さらなる予後の改善につながると考えられた.
症例報告
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