日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
症例報告
服薬指導が有用であったダビガトランによる薬剤性食道潰瘍の2例
泉川 孝一稲葉 知己水川 翔河井 裕介榊原 一郎石川 茂直三好 正嗣和唐 正樹河合 公三
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2014 年 111 巻 6 号 p. 1096-1104

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抄録

症例は,ダビガトラン開始1カ月後より胸焼けを自覚した67歳男性と薬剤開始数日後より心窩部痛を自覚した81歳女性である.内視鏡所見は近似しており,食道に白色あるいは暗青色の膜様物が付着した浅い潰瘍を多数認めた.いずれの症例もダビガトラン投与は継続し,服薬指導のみで症状は消失し潰瘍は改善した.食事中に薬剤を大量の水で服用し座位を保持するという服薬指導は,ダビガトランによる食道傷害の予防に有効である.

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© 2014 (一財) 日本消化器病学会
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