日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
非アルコール性脂肪性肝炎との鑑別を要した高齢診断Wilson病の1例
清島 淳酒井 佳夫北原 征明北村 和哉荒井 邦明加賀谷 尚史山下 竜也水腰 英四郎本多 政夫金子 周一
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2015 年 112 巻 2 号 p. 317-324

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抄録
症例は62歳女性.糖尿病と肥満をともなう非アルコール性脂肪肝炎(NASH)による肝硬変として経過観察中に,黄疸のため紹介となった.腹部MRIで肝に金属沈着を疑う所見を呈し,肝機能が正常範囲内で推移していたため精査を行い,血清セルロプラスミン低値,尿中銅排泄量高値,肝生検組織中銅高値より,Wilson病と診断した.高齢であってもNASHのみでは説明困難な症例では,Wilson病も鑑別に挙げる必要がある.
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© 2015 (一財) 日本消化器病学会
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