日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
症例報告
膵頭十二指腸切除術後に急速に進行した非アルコール性脂肪性肝炎の1例
浅間 宏之鈴木 智浩喜田 栄作松橋 暢生市井 統田井 真弓江尻 豊大平 弘正
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2015 年 112 巻 5 号 p. 905-913

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抄録

症例は64歳女性.膵管内乳頭粘液性腺癌にて膵頭十二指腸切除術を施行された.術後早期から脂肪肝を認め,術後6カ月から食欲不振と腹水貯留を認め当科へ紹介された.多量の腹水と高度の脂肪肝を認め肝生検にて非アルコール性脂肪性肝炎と診断された.アルブミン製剤と膵酵素補充薬により腹水の消失と脂肪肝の改善を認めた.肝病変が急速に進行した要因として,術前より慢性膵炎を認めており膵予備能が低下していた可能性が考えられた.

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© 2015 (一財) 日本消化器病学会
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