日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
総説
大腸癌の予防
高山 哲治宮本 弘志六車 直樹
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 113 巻 7 号 p. 1168-1175

詳細
抄録

食生活を改善して大腸癌を予防する1次予防では,赤身肉,加工肉,アルコール,喫煙などの危険因子を回避(または減量)すること,野菜,線維,果物,牛乳,カルシウムなどを十分に摂取するとともに,適度な運動を行うように心がけるべきである.また,大腸癌を早期に発見する2次予防では,便潜血検査や大腸内視鏡検査を受けることが重要である.大腸内視鏡検査では,前癌病変である腺腫を摘除することも癌の予防に重要である.一方,現在種々の薬剤の発癌予防効果を調べる臨床試験が行われており,近い将来,有効な予防薬が開発されることが期待される.大腸癌の3次予防としては,異時性の大腸癌予防の観点から定期検査の受診が必要である.

著者関連情報
© 2016 (一財) 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top