2017 年 114 巻 12 号 p. 2118-2124
慢性膵炎にともなう疼痛や膵囊胞・膿瘍,狭窄症状などに対しては内服治療,内視鏡的治療が選択されるが,コントロール困難な場合や,悪性腫瘍の合併を疑う場合は手術の適応となる.慢性膵炎の外科治療は,神経切離術,膵管ドレナージ術,膵切除術の3つに大別される.神経切離術は軽度~中等度の疼痛症例に適応があるが,範囲は限られている.膵管ドレナージ術は主膵管拡張症例によい適応であり,膵切除術は病変が局在している場合に有効である.それぞれのメリット・デメリットを勘案し,術式を決定すべきである.当科では両者のメリットを合わせ持つFreyの手術を第一選択としており,適宜工夫を加えながら,数多くの症例に施行している.