2017 年 114 巻 8 号 p. 1423-1435
胆道鏡は経口胆道鏡と経皮経肝胆道鏡が,膵管鏡は経口膵管鏡が主な検査法である.経口胆道鏡のうち直接胆道鏡は画像が鮮明で,鉗子口径が太いなどの有用性から改良がなされている.胆道病変の診断は,病変を直接観察し直視下に狙撃生検を施行することで診断能が向上する.膵疾患診断には,膵管内発育し,主膵管拡張をともなうIPMNが良い適応である.治療は通常のERCPでの結石除去困難症例に対し,胆道鏡下でEHLやレーザーを使用した治療の有用性が報告されている.また,ESWLで破砕困難な膵石に対し膵管鏡下に結石が視認できればEHLやレーザーなどを用いて砕石する方法も有用である.偶発症は通常のERCP施行時と同程度に発生するため,十分注意する必要がある.