日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
化学療法にて完全寛解を得た後,小腸の瘢痕狭窄を呈した消化管悪性リンパ腫の1例
三上 高司新田 敏勝辰巳 賀泰横田 悠太片岡 淳平田 好正石橋 孝嗣東野 健竹下 篤樋口 和秀
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2019 年 116 巻 10 号 p. 826-832

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抄録

75歳女性.食欲低下を主訴に当科を受診された.精査にて消化管悪性リンパ腫と診断し化学療法を開始したが,2カ月後から嘔気が出現した.CTでは空腸壁肥厚像と口側腸管の拡張を認めたが,PET-CTでは異常集積は認めず.瘢痕狭窄の疑いにて小腸切除術を腹腔鏡下に施行した.病理組織では腫瘍は消失し肉芽組織のみであった.消化管悪性リンパ腫では化学療法後に瘢痕狭窄をきたす症例があり,治療の際に留意すべき重要な合併症と考えられた.

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© 2019 (一財) 日本消化器病学会
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