近年の内視鏡イメージング技術の発展により,大腸病変の検出率および病理診断予測能力は飛躍的に向上した.しかし同時に,高精度の診断はエキスパート内視鏡医しか実現できないという,ジレンマも明らかになりつつある.このような内視鏡診断能の限界に対する革新的な解決策として注目をあびているのが,人工知能(AI)による内視鏡診断支援システムである.本稿では,ここ数年で急激に研究が活性化した内視鏡AIの世界的動向について概観するとともに,内視鏡AIを実臨床で使用する上で,必須とされる薬事承認の実施状況についても紹介する.