2019 年 116 巻 4 号 p. 296-304
自己免疫性膵炎は全身にさまざまなIgG4関連疾患を合併する.下垂体炎,眼疾患,甲状腺炎,唾液腺炎,肺病変,硬化性胆管炎,腎疾患,後腹膜線維症などが代表的な病変である.自己免疫性膵炎の診断に参考となる膵外のIgG4関連疾患として,従来はIgG4関連涙腺・唾液腺炎,硬化性胆管炎,後腹膜線維症が記載されていた.2018年に自己免疫性膵炎の診断基準の改定が行われ,腎臓病が追加された.IgG4関連硬化性胆管炎の診療ガイドラインが作成されたので診断,治療のアルゴリズム,画像診断の特徴,治療方法を中心に概説した.