2019 年 116 巻 7 号 p. 570-575
過敏性腸症候群(IBS)においてはその病態生理として,精神的ストレスや炎症,腸内細菌叢の構成異常(dysbiosis),消化管形態異常があり,それによって消化管運動異常,内臓知覚過敏が惹起され,その表現型として,下痢や便秘といった便通異常,腹痛という症状を呈していると考えられる.近年,便秘型IBSに対しては新規の薬剤が導入され,腸内細菌を標的とする抗菌薬投与,低FODMAP食や糞便微生物移植といった新規の治療も開発されつつある.今後は,これらの治療法を本邦の現状に即して最適化していくことが必要である.