日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
特別寄稿
C型肝炎ウイルスの変遷と今後の課題
茶山 一彰
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2021 年 118 巻 1 号 p. 1-4

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抄録

C型肝炎ウイルスは,それまで非A非B型肝炎として輸血などにより感染が成立するウイルスとしてその存在が想定されていたが,1989年にカイロン社のMichael Houghtonらにより,hepatitis C virusとしてウイルスの核酸の断片のクローニングによる発見が報告された.1991年ごろからインターフェロンによるウイルスの完全な排除が報告されるようになった.その後direct acting antivirals(DAAs)の開発が進み,最近は8~12週間でほとんどの症例でウイルスが排除されるようになった.今後は未治療症例の顕在化と治療の導入,ウイルス排除後の発癌が課題として残されている.

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© 2021 (一財) 日本消化器病学会
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