日本消化器病学会雑誌
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症例報告
胃癌Stage IVとして13年間治療された乳癌胃転移の1例
田中 寛桐山 理美春田 純一
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2021 年 118 巻 6 号 p. 555-561

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抄録

52歳女性,乳癌手術歴あり.CEA上昇にて精査,胃に4型腫瘍があり,内視鏡下生検で印環細胞を含む低分化型腺癌を認め,胃癌と診断.腹膜播種にて試験開腹となったが,化学療法にて長期間SDを維持した.13年後,内視鏡下生検にて10年ぶりに低分化型腺癌を確認.ホルモン受容体強陽性であり,過去の標本を見直し乳癌胃転移に診断を訂正した.胃癌を疑う場合でも乳癌胃転移の可能性を念頭に,組織学的検査を行うことが望ましい.

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© 2021 (一財) 日本消化器病学会
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